「死滅回游」の中でも頭一つ抜きに出た泳者———
日車寛見
強力な“過去の術師”が各結界に蔓る「死滅回游」において、“現代の術師”でありながら100点を叩き出すほどの強者です。
そんな日車は、羂索から呪術を与えられ、術式開花からたった12日間で1級術師相当の実力を手に入れた秘密をご存知でしょうか?
その強さの秘密とも言える能力が———
領域展開「誅伏賜死」です。
この記事はそんな日車の魅力、そして分かりにくいとされている領域展開「誅伏賜死」を徹底的に解説していきます。
この記事を読んでわかること!
- 日車寛見の過去
- 領域展開「誅伏賜死」について
- 領域展開「誅伏賜死」の実例
ネタバレ注意‼
※この記事はネタバレ要素を含みます!
本誌の情報を記載していますのでアニメ派やコミック派の方はご注意ください!
呪術廻戦|日車寛見(ひぐるまひろみ)とは
© 芥見下々/集英社『呪術廻戦』
すごい登場ですね!
小学校の時、着衣水泳が好きだった模様!
日車寛見の「プロフィール」
年齢(初登場時) | 36歳 |
生年月日 | 不明 |
術式 | 名称不明 |
領域展開 | 誅伏賜死 |
岩手県弁護士会所属の強い正義感を持つ国選弁護人。
T大学法学部受験、法科大学院導入前の旧司法試験など、あらゆる難関をストレートで通過する所謂“天才”です。
また日車にとってそれらは、必要な知識を入力し必要なだけ出力する簡単な作業でしかありません。
そんな“天才”日車寛見の性格は高潔そのものであり、昔からおかしいと思ったことは放おっておけない性分でした。
法の下 平等に救えない現実に対しても———
「私だけは目を開けていたい」と弱者を守ろうとする正義感、そして自身がおかしいと思うことに対しては、国や権力が相手であろうと立ち向かうほどの強い信念を持っています。
日車寛見の「闇落ち」
© 芥見下々/集英社『呪術廻戦』
過去に不利な事例を担当し、無罪を勝ち取れなかったことで、依頼者から逆恨みされることもありました。
そういった過去を持ちながらも尚、「弱者は経済的にも精神的にも追い詰められています」とあくまで依頼者に寄り添う思慮深さを持っています。
そんな日車は持ち前の正義感と強い信念の下、国や権力を相手取り、再び不利な案件を引き受け弱者を救おうとします。
そしてついに努力が実を結び、依頼者の無罪を勝ち取った日車ですが———
検察により投入された税金とマンパワーにより覆された判決…。
そして依頼人から向けられる度重なる逆恨みの視線———
そういった経緯から、精神が壊れた日車は術式覚醒後、闇落ちすることとなります。
術師となった日車は「人は皆 弱く醜い」と思うようになっており、法の無力さに打ちひしがれることとなりました。
そんな日車は告訴も公訴もなく、真偽を争うこともないデスゲーム、「死滅回游」の総則に可能性を感じることとなっていきます。
その高潔さから反動で“闇落ち”してしまったんでしょうか…
ナナミンくらい味のあるキャラクターだと思ってます!
日車寛見の「強さ」
“天才”と称される日車ですが、彼の中で最も光る原石は呪術師としての才能でした。
呪術師となった経緯は、羂索によって呪術を与えられ、「死滅回游」の泳者となったことが始まりです。
現代の呪術師でありながら、領域がデフォルトで備わった自らの術式を解明し、結界術の基礎をも同時に習得する圧倒的な呪術センスを持っています。
また、結界術から逆算する形で呪力操作による強化術の勘を掴み、術式開花から12日間で1級呪術師と比較しても遜色ないレベルにまで成長を遂げています。
更には、結界侵入まで数多くの呪霊を退け、20人以上の泳者を返り討ちにし、102点を獲得するほどの実力を兼ね備えた“天才呪術師”です。
領域展開「誅伏賜死(ちゅうぶくしし)」の解説
© 芥見下々/集英社『呪術廻戦』
術式を発動させ、ジャッジマンという式神を顕現させますが、この術式はデフォルトで領域が備わっています。
そしてその領域の正体は“法廷”です!
この領域内では言葉以外のあらゆる暴力行為は禁止されています。
「領域展開」には必中必殺を持つものと、必中のみの2パターンがありますが、日車の領域は、対象に自身のルールを強制(必中)させる必殺を除いたものとなっています。
この領域は「必殺」でないことや対象に物理的危害を加えないこと、更にある程度ルールを説明するという“縛り”によって成り立っています。
領域展開直後、その必中効果によって領域内に引き入れた対象(以下、被疑者)を出廷させます。
そこではジャッジマンが被疑者を裁きます。
お互いが対象に攻撃できるのは、被疑者の罪が確定した時ということになりますね!
裁判の流れについては、下記の「誅伏賜死」のルールからご覧ください!
「誅伏賜死(ちゅうぶくしし)」のルール
ジャッジマンは領域内の者のすべてを知っている
ジャッジマンは領域にいる者のすべてを知っていますが、その情報は術者 日車には共有されません。
判決はあくまで、日車と被疑者の2人の主張を元に下されます。
日車はジャッジマンから提出された被疑者の証拠を持っている
ジャッジマンから提出された証拠の情報に関しては、開封前から術者 日車には共有されます。
しかしその証拠は、必ずしも被疑者の疑いを確定するものではありません。
ジャッジマンから「無罪」を勝ち取らなければ罰を受ける
被疑者は言い分を述べることで、疑いを晴らし「無罪」を勝ち取らなければ罰を受けることとなってしまいます。
被疑者の選択肢は「黙秘」「自白」「否認」
被疑者の選択肢は3つ、「黙秘」「自白」「否認」です。
ただし「否認」には虚偽の陳述も可能となっています。
罪を認めない限り2回まで裁判のやり直しを請求できる
罪が確定し裁きを受けるに至りますが、罪を認めない限りは2回までなら裁判をやり直しすることが可能となっています。
またジャッジマンがこれを断ることはありません。
※ただし、裁判の内容は1回目とはまったく異なったものとなっています。
「誅伏賜死(ちゅうぶくしし)」判決後
© 芥見下々/集英社『呪術廻戦』
判決後は法廷が消え、元の空間に戻ります。
判決の内容には、「有罪」「没収」「死刑」が存在しますが、「無罪」に関しては今のところ作中で登場していません。
「有罪」の場合
「没収」が言い渡され、術式 又は術式のないものは呪力が没収されます。
また日車本人には、呪力のこもった「木槌」が付与され、対象を攻撃することができます。
「有罪」「死刑」の場合
ジャッジマンから科される最も重い罰は「没収」を付加された「死刑」です。
対象の判決が「死刑」のような重罪の場合は、「木槌」に付いている剣のマークが光り、「処刑人の剣」に変形。
そして術式や呪力のない弱体化した対象を攻撃することが可能となっています。
「木槌」は大きさを自在に変形させてました!
「必殺」の領域ではないものの、術式や呪力のない相手から呪力のこもった「処刑人の剣」を使うことで、「必殺」に近い効果が付与されていますね!
領域展開「誅伏賜死(ちゅうぶくしし)」の実例
「誅伏賜死」のルール説明だけだとイマイチわかりにくいとおもうので、作中にでた日車と虎杖の裁判の実例をまとめました!
虎杖悠仁パチンコ店入店の疑い
虎杖悠仁は18歳未満にもかかわらず、2017年7月16日 宮城県仙台市のパチンコ店「マジベガス」に客として入店した疑いがある
真実はジャッジマンしか知らず、日車はジャッジマンから提出された証拠しか持っておりません。
この際、虎杖の選択肢は「黙秘」「自白」「否認」の3つとなります。
そして「否認」は虚偽の陳述も含まれることから、虎杖は嘘をついてもいいと言うことになります。
そのため虎杖は、以下の3パターンの対処法を考えることとなりました。
- もし証拠がパチンコ店への入店を裏付けられない“スカ”なら「黙秘」か「否認」でよい。
- 証拠が入店のみを裏付けるものなら酌量の余地のある“言い訳”にかける。
ただし証拠が1.の“スカ”なら入店を認めることとなり、墓穴を掘る結果となる。 - 証拠が入店だけではなく、“遊戯”を裏づけるものだった場合はほぼ詰みとなるため、自白して罪が軽くなることに賭ける。
この裁判に、“情状酌量の余地”があるのかが分からないと判断した虎杖は3.の選択肢を捨て———
俺はパチンコ店「マジベガス」に入店したが 急な便意でやむを得ずトイレを借りただけだ
そう言って2.の選択肢を取りました。
しかし日車が持っていた証拠、これは虎杖が「マジベガス」付近の換金所の防犯カメラに写っているというものでした。
パチンコの景品には、店内で「景品」と引き換えるか、「特殊景品」を持って換金所でお金と交換する仕組みとなっています。賭博が禁じられている日本では、パチンコ店と換金所は別の法人となっています!
トイレを借りたと入店を認めてしまった虎杖は、換金所でのキャプチャが証拠として残っていることで、遊戯を裏づける結果となってしまいました。
また、店は明示的に18歳未満の入店を拒否していることから虎杖の罪は———
『刑法130条 建造物侵入罪』に該当することとなりました。
風営法では未成年自身は処罰されないようなので、「そんな店知らない」と1.の「否認」を実行すれば「無罪」となっていたようです…
これに伴い、虎杖に出た判決は「有罪」。
そして「没収」にて術式を持たない虎杖は一時的に呪力を奪われることとなりました。
虎杖悠仁 渋谷にて大量殺人の疑い
罪を認めない限り二審を行うことが可能なため、日車は再び虎杖の裁判を行うこととなりました。
ただし罪状はまったく別のものとなります。
虎杖悠仁は2018年10月31日、渋谷にて大量殺人を犯した疑いがある。
これに対し虎杖は———
ああ 俺が殺した
これは嘘でも否認でもない
と述べ、ジャッジマンから「有罪」「没収」「死刑」が言い渡されることとなりました。
しかし本当の罪は『刑法39条1項』「心神喪失者の行為は、罰しない。」というものです。
渋谷での虎杖は宿儺に肉体を奪われ制御できなかったこと。
それに伴い、自発的に制御能力を放棄したわけではないという観点から、日車は虎杖に罪はないと認め術式を解きました。
あとがき
「死滅回游」編において、“現代の術師”の術式は複雑なものとなっています。
まさかの“法廷”を具現化して、そこで裁判を行うという馴染みやすさとはかけ離れたものとなっていますが、日車の領域については、人間性がそのまま現れていたのではないかと感じました。
また、数々の術師が登場しては死んでいく『呪術廻戦』において、日車は理由があって生かされたキャラクターだと考えています。
そしてここまでしっかりとスポットが当てられたキャラクター、構築された術式なだけに、今後日車は重要な役割を果たしていくのでは?予想しています。
七海健人がいなくなった今、個人的にはかっこいい大人の術師として、虎杖たちのサポートする役割を担ってくれることに期待したいと思います。
虎杖とのバトルで取り戻した日車の正義感。
今後、日車が「死滅回游」をどう戦い抜いていくのか、しっかりと追いかけていきたいと思います。
虎杖と日車はお互い違った正義を持っていて、相性の良い2人だったように感じました!
今後また「誅伏賜死」の新情報があれば追記予定です!
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